ドン底から自由への道〜その16〜


※この記事はストーリー形式になっています。

このページは「第16話」です。

 

▶︎前回の記事はコチラ

 


 

家に帰り、僕は早速営業メールを書いた。

 

翌日、そのメール文を持って代表のもとへ伺った。

 

- - - - 

 

「いつもお時間を頂き感謝しております。今日もご指導頂いてよろしいでしょうか?」

 

代表

「はい、もちろん構いません」

 

「ありがとうございます!!...早速営業メールを完成させたのですが、完成してみると、今度は送信するのが恐くなってしまいました」

 

代表

「それは多くの人が通る道です。もちろん私も経験しました」

 

「これ、どうすればいいでしょうか?..送らないと何も始まらないですが、恐いのです..」

 

代表

「どうなることが恐いですか?」

 

「一切返事がなかったら..とか、断られたらどうしよう..とかですね」

 

代表

「人が最も恐れていることは何か..なんだと思いますか?」

 

「えっと...死、ですかね..」

 

代表

「肉体的な死よりも、恐れていることがあると思います」

 

「なんでしょう...自分が傷つくこととかですかね..」

 

代表

「周囲に否定され、孤独になること。..どうでしょうか?」

 

「否定され、孤独になること..」

 

代表

「家族に否定され、友達にも否定され、恋人にも否定され、全ての人が周りから去り、孤独になる..。否定される痛みは、肉体的な痛みよりも痛いかもしれません」

 

「そうかもしれませんね..確かに、考えると最悪かもしれません」

 

代表

「..例えば、異性に声をかけることが恐いと感じる人も多いです。極端に言うとナンパとかもそうですね。これは何故だと思いますか?」

 

「冷たくされたり、振られたりすることが恐いからですかね」

 

代表

「冷たくされる..振られる..。それは結局、自分が否定される事になるから..」

 

「確かにそうですね」

 

代表

「そう、ほとんどの人が、自分を否定されることをもの凄く恐れています。『営業をかけて迷惑そうにされたら..』、『SNSなどで投稿して、誰からも反応がなかったら...否定的なコメントが入ったら..』など、全ての恐れには『否定される』という恐怖が隠れています。

 

しかし、否定されることを恐れて何もしなければ、人間関係も経済面も動いていかないでしょう。..そのうち時間が経過し、後々もっと後悔してしまうかもしれません。..

 

..とあるアンケートによると、晩年に人が後悔することで最も多いものが『若いうちにもっと色々やっておけば良かった』ということだそうです。それは最大の否定になるのだと思います。自分自身が自分自身を否定し、自分の人生を否定することに繋がるのですからね..

 

恋愛だって、自分から声をかけなければ発展しません。仕事だって、営業しなければ、お客様は見つからないでしょう。勇気を持って踏み出さなければ、何の変化も起こらないのです」

 

「はい。...頭ではわかってるのですが...」

 

代表

「先日お話しましたが、人は一体誰に一番興味を持っていますか?」

 

「あ、はい自分自身です」

 

代表

「そう、全ての人は自分が一番可愛いし、自分に興味があるのです。周囲への興味も愛情も存在しますが、それは自分の存在ありきです。自分という存在があるからこそ、周囲を愛し、周囲に興味を持つのです」

 

「はい」

 

代表

「つまり、実際相手はあなたのことをそれほど考えてもないし、意識もしていないのです。否定されるとか認められるとか、気にしているのは実は自分だけで、周囲はさほど、あなたに関心がないのです」

 

「ちょっとグサっと来ますが、事実そうだと思います..」

 

代表

 

「それを踏まえた上で、否定されることを怖がって何もしない方が得なのか?もしくは、否定される恐怖は幻想なんだと捉え、精神的なリスクを背負って行動した方が得なのか?どちらが長期的に見ると得なのか..それを照らし合わせて考えてみることです」

 

 

「はい、わかりました。...ですが、もう1ついいでしょうか?」

 

代表

「はい、どうぞ」

 

「今回は僕にとって初めてのビジネスなので、絶対に失敗したくないのです。小さくてもいいので、成功体験がしたいのです」

 

代表

「そもそも成功とは何でしょう?何をもって『成功』としますか?」

 

「それは、やはり描いた通りのいい結果になることでしょうか..」

 

代表

「なるほど。少しだけ前提から話した方が良いので、話しますね」

 

「お願いします!」

 

代表

「イメージしてみて下さい..例えば、今回あなたが行うメール営業では何処からも返事がなかった。失敗したと思いました...」

 

「はい、嫌ですね」

 

代表

「しかし、やれることはシンプルです。その悔しい体験を学びに変え、たくさん営業メールを見直し、スキルをアップさせつつ、新しい営業先も探すことです」

 

「はい」

 

代表

「一回目駄目だったことで自分自身を見直し、その次のチャレンジをする..これを繰り返す。一回目で駄目だった営業先にも、時間を空けて再チャレンジしてもいいと思います」

 

「そうか、同じ所でもいいんですね」

 

代表

「はい。ニ回目、三回目のチャレンジ。これらは、一回目のセールスより上手くなることができるでしょう。練習しているので当然です。一回目の失敗があってこそ、二回目以降は一回目より上達するのです」

 

「はい」

 

代表

「あなたは最初の反省を活かし、日々スキルを高め、上達しています」

 

「はい」

 

代表

「そして、例えば四回目のメールで成約が取れたり、会う約束に至った営業先が出てきました。..想像できてますか?」

 

「はい。漠然とですが」

 

代表

「どんな気分ですか?」

 

「とても嬉しいです。自信というか、力が湧いてきます」

 

代表

「さて、振り返ると最初の一回目の失敗は、本当に失敗なのでしょうか?」

 

「あぁ...そうなると失敗ではなく、成功する為の練習だったという感じですね」

 

代表

「そうですね、逆に一回目に成果が出てたら...?もしかしたら傲慢になり、二回目に至るまでのスキル磨きをしなかったかもしれません」

 

「なるほど、そうですね」

 

代表

「そうなると、一回目で上手くいったあなたは、営業スキルが上達していないかもしれない。一回目で上手くいったから、二回目以降もこれでいいはずだと思い、この先の成長がないかもしれない」

 

「確かにそうかもしれません」

 

代表

「..どうですか?」

 

「う〜ん、何が成功とか失敗とか、現状ではわからないと感じました」

 

代表

「そうなのです...さきほど、あなたは『営業メールが完成した』と言ってました。しかし、この発想がもう違うのです。全てにおいて完成というのはあり得ません。常に変化し、常に修正し続けることが正常なのです。

 

どんなことも、自分の思い通りの結果を作り出すことはとても困難です。それは、世界は自分と周囲との複合体だからです。必ず、自分だけではコントロールできない場面が出て来ます。

 

だからといって、考えることを放棄し、理想を描くことを辞めれば、必ず行動にストップがかかります。ですから大切なことは、ひとまず理想の結果を描くこと。そしてその為に出来ることを最大限すること。あとは、その結果を強引にコントロールしようとしないことです」

 

「...描きはするが、コントロールしない..難しいです」

 

代表

「そのうち体感でわかると思いますけどね。要するに、理想の結果を頭の中に描き、それに対して必要だと思うことを全力でやる。そして、やれることを最大限やったなら、あとはコントロールしようとせず、流れに任せるのです」

 

「..なるほど..」

 

代表

 

「そういう意味で、私が日々大切にしている考え方があります」

 

 

代表

「私が日々大切にしていることは、『全てはテスト(試し)』という考え方です」

 

「テスト..ですか..?」

 

代表

「はい、テストです。『これをやったらどういう結果になるかな?テストしてみよう。検証してみよう』そういう考え方を大切にしています。『これをしたらどんな結果になるかな?』と、結果を検証してデータを取る感覚で動くのです。これが、私が大切にしている『全てはテスト』という考え方です」

 

「...えっと、今回の僕の場合、『送ってみて反応がどうだったかをテストする』という感じですか?」

 

代表

「まあそうですが、具体的に言うともっと細かいです。『こんなメールを100件送ったら3件の反応があった。成約率で3%だ』などと、感情を入れないでただ数字として検証する感覚です」

 

「なるほど..凄くドライな感覚なのですね」

 

代表

「そうですね。『テストする』..これはビジネスの世界で最も大切な考え方の1つです。何かアイディアがあれば『よし、まずは小さめにテストしてみよう』そうやってフットワーク軽く、大きな打撃を受けない様に注意してデータを収集するのです」

 

 

代表

「セールススキルは、魔法のツールでも洗脳技術でもありません。ですから、一切買う気のない相手に強制的に買わせることをしてはいけないのです。

 

見込み顧客には4つの心理段階があり、あなたの商品やサービスの内容に対して、①全く興味無し、②少しだけ興味あり、③けっこう興味がある、④今すぐ欲しい!!..こういう段階があります。

 

大切なことは、買う準備が整っている③と④の人を効率よく見つけ、その相手が欲しがっているものが今ここにある、私が持っているという事を、適切な形で伝えるだけなのです」

 

「なるほど..その、『欲しがっている人』はどう見つければいいのでしょうか?」

 

代表

「難しい質問です。それがわかればどんなビジネスも成功するでしょう。...だからこそ、以前私が言った様に『自分が過去に困ったこと』であったり、『過去に欲しいと思った商品』の市場を選ぶことが、時間短縮に繋がります。なにせ、過去の自分がお客様なわけですからね。思い出せば、そのお客さん候補の行動パターンや、ネットサーフィンの特徴などが見えてきます」

 

「なるほど」

 

代表

「厳密に言うと、過去の自分じゃなくてもOKです。『今の自分が探しているもの、欲しいもの』を明確にし、それを商品化するというやり方もあります。自分で作ってもいいし、作れる人の代理店や、コピーライティングを使ってプロデュースすることも可能です。どちらにしろ、過去現在問わず、『自分自身が欲しいと思うもの』にヒントがあるわけです」

 

「じゃあ、全く興味がないものは売ることができないですね..」

 

代表

「正確に言うと出来ますが、難易度はあがるでしょう。もし今興味がない分野でも、市場として美味しいなら参入することも選択肢の1つだと思います。しかしその場合は、丁寧に市場リサーチをする必要があります。リサーチしなければニーズがわかりませんのでね。しかし、リサーチには大量の時間、労力、お金がかかることが多いです。

 

しかし最初はそんなことをしている時間がない場合も多いと思うので、その場合は自分が興味のある分野で、思いつく限りたくさんのアイディアを挙げ、営業メールを送ったり、電話営業したり、広告を打ったりして、求めている人との接触を試みることですね」

 

「そんなに楽はできない..という事ですね。..でも、どうしても断られることが恐くて..」

 

代表

「営業をかける時、そもそも用事があるのはこちらであって相手ではありません。こちらは相手の貴重な時間を頂きたいのですが、相手が拒否をする場合もあって当然なのです。

 

ですから、自分自身が”提供する側として提供出来ること”を発信し、『共感する人この指とまれ~!』という感じで人差し指を高くあげるのです。そして、共感してくれた人達が集まってきて、詳しく説明する。そして成約に至るという感覚が健全だと思います」

 

「なるほどですね。だから数が必要だと..」

 

代表

「そうです。一件一件足でまわるのもいいし、ブログやSNSなどを使って、アクセスを集める形でもいい。有料で広告をするのも時間短縮につながりますが、とにかく伝えないことには何も始まりません」

 

「僕の場合は、まずはメールで営業したりですね。場合によっては、ネットを使ったりして集めても良さそうです」

 

代表

「そうですね。今はネットもあるので、個人で集客することも比較的楽です。その場合も、結局はコピーライティングが必須です。ネットの場合は、お客様候補は必ず文章から入ります。クリックしてもらえるコピーライティングが必須です。また、情報発信することで生じる恐怖も乗り越えなければなりません

 

「恐怖、ですか」

 

代表

「はい、それも同じ『否定される恐怖』です」

 

「確かに、バンドをしているときにブログとかに否定的なことを書かれて凹みました」

 

代表

「そう。それでも、言い続けることが大切です。否定してくる人がいるということは、逆に共感を持ってくれる人もいるのです。むしろ何の反応もない方がよくないですね」

 

「なるほど。確かに音楽とかでも、無難なバンドは中々ファンが集まりません。逆に、尖っている個性的なバンドは、否定的な人も多い分、大好きという人が必ずいます」

 

代表

「ですよね。...話を遡ると、そもそもお客様とは同じ理想の未来を目指す仲間なのです。仲間と言うものは、そんなに簡単に見つからないでしょう。漫画やアニメを見ても、また実生活を見ても、仲間が増えるプロセスは簡単ではありません。最初の出会い方、過ごした時間の濃さ、同じ目的で居るかなど..様々な要因があります。

 

ですから、マーケットによっては数をこなす事も大切なのです。10件、100件、1000件にアクセスしても、反応はたったの1件かもしれないのです。ふられて当然。それくらいの気持ちも大切でしょう。その中で、思いも寄らず早く成果が出れば、それはそれで嬉しいという感覚が長続きさせる秘訣でしょうね」

 

「なるほど...果てしない感覚がありますが、やる気が出てきました!」

 

 

 

代表

「振られて当然の『営業』ですが、それでもなるべく成約を取りたいと私は思います。いかがですか?」

 

「そりゃそうですね!!知りたいです!ぜひ教えて下さい!」

 

代表

「非常に大切な部分ですが、大多数がこれを無視します。だから成功しないのです」

 

「僕はやります!やるしかないですからね!」

 

代表

「では、今日はほんの少し、基本だけ話しますね。全て伝えようと思うと、一週間以上はかかるでしょうから...」

 

「はい!お願いします!」

 

代表

「少し話しを戻しますが、大前提として自分の商品はそもそもニーズがあるのかを知ることは重要です。求められてないものはいくら頑張っても売れません。なので、ニーズがない商品であれば、これから私が話すどんな努力をしても無理だということは理解して下さい」

 

「あ!忘れないうちに1ついいですか?..そういう感じで考えていくと、僕が最終的にやりたいことはニーズが少ないかもしれません。芸術家に向けたコーチングですから..芸術家自体少ないですし」

 

代表

「だからこそ、あなたは最初の方向性から少し変化させ、『音楽家さんに向けたコンピューター作曲のレッスン』や、『作曲家事務所に入るための作曲術』などを提供することにしました」

 

「はい、そうです。そこから段階をつけて『コーチング』に繋げようと..」

 

代表

「そういう風に、自分からニーズに合わせる意識は大切です。それが出来ずに辞めていく人もたくさん居ますから」

 

「少し質問が変わってしまうかもしれませんが、いいでしょうか?」

 

代表

「はい、どうぞ」

 

「僕の場合、仮に2段階を経てコーチングに繋げることが上手くいっても、そもそもその市場も小さいと思うのです。音楽でプロになりたい人なんて一般的には多くないので..」

 

代表

「それはやってみなければ私にはわかりませんが、仮に、市場が小さく、思う様に売り上げが伸びないかもしれません。そう仮定しましょう。もしそうなら、芸術家に向けたコーチングも行いながら、一方では一般の人に向けたコーチングも取り入れる。そういうスタイルを取りますね。私なら」

 

「なるほどですね..最初の商品も提供しつつ、コンセプトを変えてお客さんの層を広げていく」

 

代表

「その通りです。マーケティングの常套手段です」

 

「ですが、僕は音楽しかしてこなかったので、一般の人に向けたコーチングなんて自信がないのです」

 

代表

「『今のあなた』はそうかもしれません。けれども、この先継続することで、最初のお客様、2人目のお客様と増えて行くでしょう。..それは売り上げアップだけではなく、スキルアップ、経験値のアップにもなるのです。1年でも2年でも実績を積めば、また新しい道が見えると思いませんか?そもそも芸術家でも一般的な仕事をする人でも、能力アップの本質は変わらないと思いますし」

 

「確かに、そうかもしれません」

 

代表

「実際、全ての人に最初の一人目のお客さんが居ます。恐ろしいことに、医者にだって一番最初の手術があるのです」

 

「確かに...」

 

代表

「その最初の一人を丁寧に慎重に成功させ、経験値を増やし、次の成功に繋げる..失敗は反省し、また次の成功に繋げる..。そうしていく中で実力が上がり、自信がついていくのです。..もちろん気をつけないと傲慢になりかねませんが、それは初心を忘れないように」

 

「なるほど、ビジョンがハッキリしました。ありがとうございます!!」

 

代表

「良かったですね!..では、セールスの話しに戻しましょうか」

 

「はい、お願いします!」

 

代表

「続きですが、そもそもセールススキルとは、1000個売れる可能性のある商品を、キチンと1000個売れる様にする技術です。

 

逆に言うと、1000個しか売れる可能性がないのに、2000個売ってしまうことは、詐欺のセールスに近いことです。必要のない人に、話術で説得しているわけですからね」

 

「なるほど」

 

代表

「これを簡単に言い直すと、買う人は買うし、買わない人は買わないのです。..最大限に成約させる為の方法を少しずつ話ますが、まずは前提としてそれを理解して下さい」

 

「確かにそうですね」

 

代表

「セールススキルを実践の中で学び、1000個売れる商品を1000個売る為のセールススキルを磨くことはとても大切なことですが、その他にも、私はこんな心構えを大切にしています..」

 

 

代表

「それは、『使えるものは何でも使え』です。これはどんな目標達成にも大切なことですが、考えられる全てのことをやるのです。例えば今回のあなたの場合は営業メールを送ろうと思っていますが、営業メール以外に何か出来そうなことはありますか?」

 

「えっと、例えば『電話営業』とかですか?」

 

代表

「そうですね、それもあります。他にはどうですか?考えられる限り挙げてみて下さい」

 

「えっと、まずメール、そして電話..あと、FAXを送るとか、手紙を送るとか、訪問営業もできますね」

 

代表

「いいですね。..もちろんそれらを同時に全て実行することは物理的に無理だとしても、使える手段を段階で使い分け、あらゆる手段でまずは相手に接触する努力をするのです。接触し、心を開いてもらうチャンスを作るのです。なぜなら、相手も本当はこちらの提案を必要としているかもしれないのに、忙しくてメールや電話を受け取れないかもしれないですからね。きちんと接触した後で、断られたら引けばいいのです」

 

「なるほど。あらゆる角度から徹底的に囲い込む感覚ですね?」

 

代表

「いえ、『囲い込む』という風に相手を獲物の様に考えるマインドでは、不幸なセールスマンの始まりです。根本は『思いやり』なのです」

 

「あ、そうか」

 

代表

「そう、『思いやり』から出た発想でなければなりません。..先ほども言いましたが、そもそも相手はとても忙しいかもしれない。手紙を読む時間がないかもしれないし、メールを読む時間もないかもしれない。だから、営業先の相手に的確に伝わるよう、様々な方向から連絡をしてフォローするのです」

 

「なるほど..でも、連絡が取れるまで何度も何度も連絡をするなんて、ご迷惑かもしれません..」

 

代表

「..敢えて聞きますが、なぜ迷惑なのですか?あなたの商品、サービスは相手に有益なのではないですか?」

 

「はい、僕はそう思ってますけど..」

 

代表

「相手にとってメリットがあるならば、きちんと伝えてあげなければ相手にとって悪いでしょう。逆の立場で考えてみるとどうですか?例えば友人が、あなたが欲しがっていたものを手に入れたが、その友人は自分には必要ないと感じた。それであなたにプレゼントしようと思ったのだが、あなたは忙しくてメールも電話も反応できなかった..諦めた友人は、違う人にあげてしまった」

 

「うわ、残念ですね。とっておいて欲しかったし、何度もしつこく連絡欲しかったな~と感じると思います」

 

代表

「ですよね。もちろん、ただ何度も連絡をすればいいのではなく、あくまでも『思いやり』を持って続けることが重要ですが」

 

「少し考え方が変わってきました。...でも、友人の場合はわかりやすい例ですが、お客さんの場合は、結局は必要としていないかも..」

 

代表

「それは相手に聞かなければわからないことです。あくまでもあなたは相手にとってメリットがある話だと思っているのですから、取りあえず伝えてみればいいのです。その上で『不必要だ』と言われたなら、潔く引けばいいのです」

 

 

 

「なるほどですね。じゃあ、メールもして電話もして、Faxもする、という感じですね!」

 

代表

「はい」

 

「わかりました!!それで攻めようと思います!」

 

代表

「あはは(笑)..あ、笑ってしまってごめんなさい。..その『攻める』という部分が根底から間違っているのです。あくまでも思いやりであって、攻撃ではないのです。こういう時は敢えて使う言葉を修正しましょう。言葉は本心を現していますが、使う言葉を換えることで本心が変わる効果もありますからね。..いいですか?どんなテクニックも、あくまでも『思いやり』でやらなければ逆効果です」

 

「あ、そうですね..すみません。言い直します。『相手は忙しいので、色々な角度からお伝えしよう』と思います!」

 

代表

「そうそう。..電話攻撃!Fax攻撃!と来たら誰だって嫌ですからね」

 

「はい、逆の立場で考えたら腹が立ちます(笑)」

 

代表

「素直でいいですね。このように、まず最初にメールをお送りする。..その数日後、常識的な時間に電話をかけ、『●●さま、お忙しい中失礼いたします。先日こちらから送りましたメールをお読み頂けてる頃かなと思いまして..お忙しいと思いましたのでこちらからお電話差し上げました..』などという感じで電話をかける。..TPOに合わせて、電話が先で、次にメールになってもいいですね。..こういう営業を受けた側はどう感じるでしょうか?」

 

「凄く真剣な人だな..中々礼儀正しくていい感じの人だ。僕ならそう思う気がします」

 

代表

「そうですね。仮にその時点でメールも電話も繋がらない場合、次にようやくFaxしたりと、相応しい段階があるわけです」

 

「言われてみれば当たり前ですが、どうしても自分のことばかり考えてしまっていました」

 

代表

「そう。先ほども話しましたが、それは深い部分の本心で、相手のメリットではなくこちらのメリットを考えているからです。あなたは本心では、この営業メールで成約を取り、仕事をしてお金を稼ぎ、自分の利益としたいわけです」

 

「はい」

 

代表

「けれども、相手からするとあなたのメリットなんか関係ないのです。あなたに出来ることは、自分の気持ちを一旦置いておき、相手のメリットを一緒に考えてあげる姿勢が大切です」

 

「ほんとうに、考え方や感じ方を整えることは大切ですね..」

 

代表

「はい。自分のことを最優先に考えるのが動物としての自然な形ですが、ビジネスでは逆なのです。本来あるべく本能的な形ではなく、相手に寄り添い、ひたすら相手のメリットを考える..これがビジネス成功の秘訣なのです」

 

「代表の話を聞いてると自分の世界観がどんどん変わります」

 

代表

「良かったです。..続けると、この様に『使えるものは全て使え』..この心構えは営業だけでなく様々な所で応用できます。例えば最近こういう質問をしてくる人がいます。『お客さんを集めるのはインターネットとリアルのどちらをすべきですか?』..とか、『ホームページと無料ブログではどちらがいいですか?』などですね。..私の解答はいつも同じ、『使えるものは全て使え』です。

 

恋人探しや、結婚相手探しだって同じです。..結婚相談所がいいのか、合コンがいいのか、出会い系サイトか、お見合いか、友達の紹介か...そもそも制限する発想が違うのです。『使えるものは全て使え』これが本当に大切なことなのです」

 

「言われてみると、本当にその通りですね」

 

代表

「方法は何でもいい。..思いやりの中で相手のことを考え、何かを始める度に検証して精度を高めること、それが大切なのです。『思いやり』×『行動量』×『質』このどれか1つでもゼロであれば結果はゼロです」

 

「あの、凄く『上げ足取り』の質問なのですが、詐欺まがいなことをして稼いでいる人もいますよね?彼らに思いやりはないと思います。それでも大金を稼いでいます。これを代表はどう考えますか?」

 

代表

「短期的には稼げるかもしれません。しかし、長期的に見るとどうでしょうか..一度買ったお客さんは後で詐欺だと気づいたら二度と買わないでしょうし、売った本人はその後、顔を隠しながら生きないとならないかもしれません。場合によっては裁判になったりと、人生を一瞬でパーにする可能性があります。私はこれを『良い結果』とは考えません。

 

もちろん最初はお客さんも信頼するからお金を支払うわけですが、実際それは紛い物。..こんなやり方で短期的に売り上げがあがった所で、長期的なマイナスを積み重ねているので、私なら恐ろしくてできませんね」

 

「なるほど。そうか長期的プラス..」

 

代表

「そう、長期的プラスを選ぶのが最善です。..短期的にお金を得る為に相手を騙しては、家族、尊厳、仲間、自由、信頼..こういう、『亡くしてはいけないもの』を亡くす可能性があります。私としては、お金にそこまでの価値を感じません。そうではなく、短期的には不器用でも、長期的に信頼を積み上げる形で考え、少しずつで良いのでプラスを積み上げる。『思いやり』×『行動量』×『質』...これを丁寧に積み重ねるのです。

 

この真実の良い所は、『思いやり』『行動量』『質』の各項目は最初は少なくても、積み重ねれば花開く所です。

 

なぜなら、掛け算だからです。思いやり、行動量、質..これらの各項目を少しずつでも積み重ねることで、後々右肩あがりになります。逆に、どれか1つでもゼロなら結果はゼロ..もちろん長期的な結果にならないという意味ですが、短期的によくても、最後の最後に全て失っては、それまでの良い経験は全て、最後の大きなマイナスへの誘導プロセスだったということになります。

 

『思いやり』『行動量』『質』、これらビジネスの中で積み重ねれば、後々、一瞬で跳ね上がるタイミングがくるのです。一度でも経験すればわかりますが、本当に凄いスピードで、売り上げもお客様も跳ね上がるのです。..しかもそれは一生失うことのない『人脈』という財産として残ります。

 

お客様からも信頼され、口コミでドンドン広がっていく。..そうすれば『行動量』はほとんどいらなくなります。お客さん集めや営業に、時間をかけなくて済む様になるのです。...本当の『良い結果』とは、こういう長期的で末広がりの人生だと思いますよ」

 

「なるほど、スッキリしました!!今日も制限が取っ払われた気がします。ありがとうございます!」

 

代表

「では今日はこの辺にして、のちほど営業メールを見直してから、私に見せて下さい。そして、テスト感覚で実際に送ってみましょう」

 

「はい!」

 

....

 

この日の講義はこれで終了し、僕は帰宅した。

 

今日学んだことをノートに丁寧にまとめ、

いよいよ、営業メールを送ることにした。

 

続く、

 

 

▶︎次回:第十六話 執筆中(お待ち下さい)

 

 

 

▼この記事のまとめ


①人に否定されることを恐れては人生が動かない

 

そもそも他人は自分のことにさほど興味がないのだ。他人の評価は気にせず、常に自分がどんな生き方がしたいのかと問い続けよう。そうして出て来た理想を叶えてくれるのは、自分自身だけなのだ。

 

②『成功』か『失敗』かは最後まで決めつけられない。

 

私たち人間に出来ることは、プロセスで成長し、良い結果を出すために尽力することだけ。仮に失敗しても、その失敗を次に活かし、また自分の成長に繋げればいい。そうすれば自ずから成功できる自分になれるのだ。

 

③結果はコントロールできない。全てをテスト感覚で

 

結果を気にしていては行動する時に恐怖が出てくる。しかし、結果はコントロールできない。出来ることは、良い結果を出すためにどんな方法があるのか検証し続けることだ。全てはテスト。思いついたことは小さくテストし、検証していくことが大切。

 

④使えるものは何でも使え。

 

理想のゴールを達成するために、行動を制限する必要はない。参考になるものは参考にし、真似すべき部分は真似をし、あらゆる手段を使って目的を達成すれば良いのだ。

 

⑤『相手への思いやり』×『行動量』×『質』..これがビジネス成功の秘訣だ

 

 

短期的には不器用でも、長期的に信頼を積み上げる形で考え、少しずつで良いのでプラスを積み上げること。『思いやり』×『行動量』×『質』=『永続する良い結果』。また、この式は掛け算であることがミソ。各数時を積み重ねることで後々、右肩あがりに跳ね上がる。本当の『良い結果』とは、こういう末広がりの人生なのだ。


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コメント: 12
  • #1

    岡田 (火曜日, 02 2月 2016 18:30)

    いつも楽しみに読ませて頂いています。
    毎回はっとさせられるねは、「後は流れに任せる」です。
    人事を尽くして天命を待つ。とは言いますが、なかなか実際の行動に移せません。
    自分をコントロールするコツなどありますか?

  • #2

    カッシー (火曜日, 02 2月 2016 21:39)

    今回ものめり込んで読んでしまいました、です♪
    嫌われる・ 断わられてしまう・批判・中傷 されるのでは、。
    この心情 が 常にまとわりついて物事に対する制限、躊躇、ブレーキになどになっていた気がしマス、
    しかし、
    【すべては テスト 】の お言葉♪
    ありがとう御座いマス♪

    すべては 実験・検証・お試し♪
    試食♪♪(^^;;
    の 気持ちで 数量と品質と外側への懷い を 新ためる事ができました です♪

  • #3

    ゆきひら (火曜日, 02 2月 2016 23:45)

    今の私にぴったりの内容でした!ありがとうございます*\(^o^)/*
    必要な時に必要な言葉がやってくる。引き寄せたみたいです‼︎読ませて頂けて感謝です‼︎♪( ´▽`)

  • #4

    トダサエコ (水曜日, 03 2月 2016 08:35)

    何回か読んでみました。
    毎回、同じ文章なのに感じる事が全然違います!!


    受け取っているつもりなのに、
    上手く言葉にできないのは、
    それは、ちゃんと表現できないのは、まだ理解が足りないって事でしょうか?

    今後は、何度も読んでその時その時感じた事をノートに書いていこうと思いました!!

    真剣読んでますよ☆
    応援してます!!

  • #5

    根本 (金曜日, 19 2月 2016 17:19)

    今回もすごく面白くって夢中で読みました!
    私も人に読ませるストーリーを書きたいので小林様の文面はとても良い勉強になります。
    思いやりが大切、すべてはテスト!今日もいい事が知れて嬉しいです。ありがとうございます(^o^)

  • #6

    小林知央 (金曜日, 19 2月 2016 18:31)

    岡田さま>>

>>毎回はっとさせられるねは、「後は流れに任せる」です。
>>人事を尽くして天命を待つ。とは言いますが、なかなか実際の行動に移せません。
>>自分をコントロールするコツなどありますか?

    私も昔は全く流れに任せられませんでした。

    これはよく言う『手放す』という部分だと思いますが、ある意味では『良い意味で諦める』ということだと感じています。

    とことんモガイても、結果がコントロールできないという経験を繰り返すこと。

    あとは、「これ以上は出来ない」という所までやれば、自ずと「あとは流れに任せるしかないな」となるとも思います。

    これらはとても現実的な対処法ですが、確実だと思いますよ。

  • #7

    小林知央 (金曜日, 19 2月 2016 18:32)

    カッシーさま>>

コメントありがとうございます。

    これからもよろしくお願いします^^

  • #8

    小林知央 (金曜日, 19 2月 2016 18:33)

    ゆきひらさま>>
    
>>必要な時に必要な言葉がやってくる。引き寄せたみたいです‼︎読ませて頂けて感謝です‼︎♪( ´▽`)

    そうですね、私も本当にそう思います。

    成長しようと思う所に、無駄なことなんてないし、全て最適なタイミングで最適な学びが来ると確信しています^^

  • #9

    小林知央 (金曜日, 19 2月 2016 18:35)

    トダサエコさま>>

    
>>何回か読んでみました。
>>毎回、同じ文章なのに感じる事が全然違います!!
>>
>>受け取っているつもりなのに、
>>上手く言葉にできないのは、
>>それは、ちゃんと表現できないのは、まだ理解が足りないって事でしょうか?

    同じ内容でも、段階によって受け取り方が違う様に書いてますので、それで問題ないです^^

    それはむしろ、理解が深まっているので、起こることですので、安心していいですよ!


  • #10

    小林知央 (金曜日, 19 2月 2016 18:37)

    根本さま>>

文章を書くということは、奥が深くて面白いですよね^^

    何かを書くという度に、そこに主張が生まれてしまうので、逆に何かを否定することになりかねないと思います。

    だからこそ、客観視と、主観と、全てのセンターの立ち位置を意識することで、書いている私も成長できていると思います。

    これからもよろしくお願いいたします。

  • #11

    MORIMOTO Takako (月曜日, 17 10月 2016 10:30)

    もう、この物語はこれでおしまいですか?
    16話以降は?

  • #12

    KIKI (火曜日, 10 1月 2017 23:18)

    毎回とても興味深い内容で氣付きが多くためになります、ありがとうございます!
    相手は自分にしか興味がない、ということや相手のために思いやりを持って
    自分が相手のためになることを伝えるなど、とても今のわたしにタイムリーで大切さを再認識させていただけました!
    次回もたのしみです!よろしくお願いします!