先日は、社長の中山さんから
とても興味深い話を聞かせてもらった。..
社長いわく、
人の人生には3つの生き方のステージがある
という。..
ステージ①
周囲の評価や承認が成功だと思ってる段階
ステージ②
全てを手放して本当の自分を生き始める段階
ステージ③
..ここについては、まだ教えてもらえなかった。
...
僕はどうやら、ステージ②に少しだけ
足を踏み入れ始めたところのようだ。
中山さんいわく、これは至って普通のことらしい。
多くの人が、同じ様な人生のステージを歩む事で、
”『周囲の評価』など外部的な承認を求める段階から
『本当の自分軸』を見つける生き方にシフトする”
ということらしい。
例外はある様だが、ステージ①では心が満たされず、
どちらかというと上手く行かない人生を歩んで行く。
常に他人と自分を比較し、他人から認められる事が
自分の人生の成功なのだと思っている段階なのだから
いつまでも自分と他人を比べてしまうので、辛いのだ。..
もちろん、結果が出て認められることがあれば
その一瞬は嬉しいだろう。..
でも、
他人と比較することに終わりはない。
上には上が、絶対に存在するのだ。..
僕は、いつまでも終わりのないラットレースを
ずっと続けてきたことになる。
自分の今までの人生をよくよく振り返ってみると、
あらゆる物事を他人と比較して一喜一憂してきた。
その事に今気づけて良かったと思う部分もあったけど、
正直、もっと早くこのことを教えて欲しかった。
僕はそう思い、親を恨み、教師や社会を恨んだ。
「一体、人生ってなんなんだろう?」
「後悔して何かに気づくのでは、
人生はあまりに短いじゃないか..」
僕はこの頃から、
『人間とは?』
『人生とは?』
『幸せとは?』
そういう哲学的なことをグルグル考えては、
自分の心を救ってくれる様な考えを求めた。
その頃、自分から社長の中山さんをお誘いし、
一緒に酒を飲むことにした。
僕
「中山さん、今日もお時間作って頂きありがとうございます。
今日は、いつもの御礼もかねて、奢らせてください」
社長
「え、いいの?じゃあありがたく受け取っておくよ。..
で、今日は何か聞きたいことがあるのかな?」
僕
「はい、2つほどあるんです。なんか悩み相談の様になってしまうのですが、
まず1つ目に、先日教えていただいた通り、僕は今まで、外側の評価を求め、
承認が自分の幸せだとばかり思っていきてきました。..
正直に言うと、今気づけて良かったな〜と思える部分より、
どうして今まで解らなかったんだろう、どうして誰も
この事をちゃんと教えてくれなかったんだろう?て..
親とか、教師とか、そういう人達に怒りが出てきました。..
それで、『一体、人生ってなんなんだろう?』とかって
答えのないことを考えては、この先が凄く不安になって
もう生きることそのものや、自分の心が恐くなってきました」
社長
「なるほど。じゃあ君は、自分が間違った人生を歩んできて、
しかもそれは親や教師のせいだと、他人のせいにしたいんだね?」
僕
「はい、正直そう思っています」
社長
「それは、今までの人生が間違ってたっていう前提で、話をしてるよね?」
僕
「はい。..え?だって、間違ってるじゃないですか?」
社長
「それこそ思い違いで、完璧な理想形を描いてたとしたら?」
僕
「え、どういうことですか?」
社長
「前にも言ったけど、人の人生には3ステージがあって、
最初は外側の承認を求める段階がある..」
僕
「はい」
社長
「で、ステージ①が苦しくなって、人生を見直す様になって、
次に本当の自分を思い出していく、ステージ②の段階に入る」
僕
「はい、覚えています」
社長
「そうなるって言われている通りになってるってことは、
まさに教科書通りの理想形の進化なんだよ。
タイミングが早いとか遅いは問題ではなく、順調に成長していくことで、この3つのステージを体験することになるんだ。つまり、君がステージ①を経験したことも、そこから②に上がろうとしていることも、理想の形ってことだ」
僕
「なるほど。でも、中々思えないです。だって僕はお金もないし、学歴もないし、全然理想ではないですから」
社長
「それは”今”しか見てないで言ってるでしょ?..じゃあ、例えばね、
今の君の状況を抜け出すために色々と学び、知識を吸収して成長し、
結果的に数年後の君は収入も増えて幸せに結婚してたとしたら?
結果的には、この人生で良かった。あの時にドン底を見て良かった。
そう思うのではないかな??」
僕
「結果的には、そうでしょうね」
社長
「そう。だから、今この瞬間に何が良くて何が悪いかなんて、俺たち人間には解らないんだ。出来事には最初から存在してる絶対的な意味なんてない。
その時何かを経験したら、それを自分がどう捉え、そこから何を学び、そして、どんな理想のゴールに活かしていくのか?ただそれだけなんだ」
僕
「はい..」
社長
「本田圭佑っていうサッカー選手知ってる?」
僕
「はい、日本人でACミランに入ったサッカー選手」
社長
「サッカーを知ってればわかってると思うけど、ACミランに日本人が入ること自体、奇跡的なことなんだ」
僕
「ええ、わかります」
社長
「本田圭佑は、一回凄く大切な時期に怪我をして、試合にも出れないってことがあった。そんな時、普通ならショックだし、イライラが募るものだと思う。
君ならどうだい?
今まで何年も頑張ってきて、いよいよチャンスって時に、怪我をしてチャンスを逃がしたら」
僕
「僕なら、俺はなんて運が悪いんだ!!とかって、自分を呪うと思います」
社長
「そう。でも本田圭佑は違った。あるインタビュー記事に載ってたんだけど、
『怪我をした事は、神様から与えられたチャンスだと思ってます。俺はもともと走り出しが遅いので、肉体改造をしたかった。今回、怪我をしたことで堂々とチームから離脱して、時間をかけて肉体改造できる。これは大きなチャンスです。まだまだ成長できるってことです』
そう言ってたんだよね。」
僕
「うわ、凄いですね」
社長
「脳って言うのは、意識した対象をドンドン見つけてくるんだ。だから、チャンスだと思えばチャンスである理由をドンドン探すし、嫌な出来事だと思えば、嫌な理由をドンドン探してくる」
僕
「はい」
社長
「さっきの本田圭佑の例に取ると、仮に『俺は怪我をした、なんて運が悪いんだ』。そう思うと、脳は運が悪い理由をドンドン探してくる。そして、思った通り運が悪いという結果に繋げてしまう。
でも逆に、『俺は怪我をしたけど、これで普段できないトレーニングが出来る!俺はなんて運がいいんだ!』そう思っていると..」
僕
「運がいい理由がドンドン入ってくる」
社長
「そう。これは日常的にもあることだね。例えば、人ごみの中で特定の人の話を聞きたい時、聞き耳を立てる。この時、他の雑音があっても、意識することで特定の人物の話が大きく聞き取れる様になる。
または、何か欲しい鞄がある時に、やたらとその鞄を見つけてしまう様になるのも、これと同じことだね」
僕
「はい」
社長
「こういう部分からでもわかる通り、人生は、深い部分で意識を当てたことをドンドン引き寄せてくる。だから、人生は思った通りになるんだ。それを感じながら、生活してみるといい。そして見渡してみるといい、本当に人生は自分が思った通りになるんだ」
僕
「わかりました!」
社長
「いいね、素直だ。あ、それで、2つ目の話っていうのは??」
僕
「はい、実は僕、音楽業界を辞めたいと思っています。
前にお話し頂いた、営業関係の仕事も興味はあったのですが、
それもやはり音楽に関係する仕事をすることになると思います。
もうこの際、全く違う世界で生きたいと考えているのです」
社長
「そうか。それもまた1つかもね。ただ、それは生まれ変わりを意味すると思う。覚悟は出来てるのかな?」
僕
「はい。僕なりに覚悟しているつもりです」
社長
「わかった。もうすぐ辞めるの?この先は??」
僕
「はい、すぐ辞めたいと思います。しばらく、バイトでもして食いつなぎます..それで、あの、凄くわがままなのですが、事務所を辞めたあとも、中山さんから色々と学ばせて頂きたいと思っているのですが、お願いできませんか?」
社長
「いいけど、それはどうだろう..君がやろうとしてるのは、生まれ変わりであって、もう音楽から一切離れることでそれは可能になると思う。..もし君が完全に音楽から離れることを希望するなら、そこからブレてしまうのでは??」
僕
「...確かに、そうかもしれませんね..」
社長
「なんなら、特別に俺のメンターを紹介してもいいけど?」
僕
「..え!?..中山さんにもメンターが居るんですか?」
社長
「うん。彼なら音楽関係の人じゃないし、いいかもしれない。ただ、かなりスピリチュアルだし、抽象的にしか教えてくれない。時には予言者みたいな言い方してくる(笑)それでも、学ぶ意欲があれば、かなり勉強になると思う」
僕
「お願いできますか?ぜひ!お願いします!!」
...
こうして僕は、自分の気持ちに素直になり、
音楽の事務所を辞めることにした。
完全に生まれ変わる決意をしたのだ。
そして、社長の中山さんのメンターを
紹介してもらうことになった。
...
事務所の最後の日、中山さんから手紙を貰った。
しかし、それは今は見てはいけないと言われた。
この手紙には、ステージ③の生き方のヒントを
書いてくれていると言う...。
その手紙の封筒には、
『行き詰まったら開きなさい』
と書いてあった。
今すぐに読みたい気持ちを抑え、僕は自分の財布の中に
中山さんから貰った手紙を大切にしまい込んだ。
僕は中山さんに心から感謝し、事務所の人達に別れをつげ、
30歳を目の前に完全に無職になった。
不安もあったけど、同時にワクワクもしていた。
まずは日銭を稼ぐために、アルバイトを探したり、
やることはたくさんある。
そういう日常的に必要なことと並行しながら、
いよいよメンターのメンターと会うことになった。
その人は実業家で、年商30億のグループ会社のトップらしい。
実際、名前も性別も知らず、僕は中山さんに指定された時間、
指定された場所へいった。
そこは東京は多摩地区の一軒家で、とても静かな雰囲気の場所だった。
人が住むには生活感がなさ過ぎるけど、事務所にしては家っぽい。
そんな、なんとも言えない感じの建物だった。
僕は和室に通され、メンターのメンターを待った。
穏やかで温かい雰囲気、百合の花がとてもいい香りだった。
...
5分後、一人の男性が僕のところに来て、声をかけてくれた。
メンターのメンター
「あなたが小林さんですね。中山さんから話は聞いています」
僕
「ありがとうございます!よろしくお願いします!
えっと、少し自己紹介をさせて下さい..」
メンターのメンター
「それは大丈夫です。わかってますから。」
そう言われ、僕は口を噤んだ。..
メンターのメンター
「あなたは従業員になるつもりはないんでしたよね?」
僕
「はい」
メンターのメンター
「では、今日はあんまり時間を作ってないので、一言だけ伝えますね。これからしばらく、金の亡者になるといいです」
僕は一瞬、耳を疑った..
僕
「え、金の亡者ですか?」
メンターのメンター
「そうです。金の亡者です」
僕
「え、どういうことでしょうか?..」
メンターのメンター
「基本的にアドバイスに質問はなしです。あなたの幸せに対して最短を計算して伝えているので、あとはやるかやらないかだけです」
僕
「あ、えっと、わかりました!!..」
メンターのメンター
「はい。では、これからしばらく、収入を増やすことだけを考えてみて下さい。どうすればお金が稼げるか?どうすれば金額を増やせるか?」
僕
「わかりました」
メンターのメンター
「では、1週間後に、お金を稼ぐアイディアを堅めて持って来てください」
僕
「はい!よろしくお願いします!!」
続く、
▼この記事のまとめ
①出来事には、最初から存在している意味はなく、自分でどう意味を付けるかで人生が決まる。
一流のスポーツ選手などは、怪我をしたことすら次のチャンスのキッカケに変えてしまう。日常の些細なことすらも、自分の理想のゴールに辿りつく為のチャンスに変えてしまおう。
②人生は、自分が思った通りになる。
人の脳ミソは、意識をした対象をドンドン見つけ、引き寄せてくる。だから、何かがあった時に「これはチャンスだ」と捉えればチャンスである理由をドンドン探しだし、「上手くいかないだろう」と思えば上手くいかない理由をドンドン探し出す。そして、それがどちらも事実になるのだ。
コメントをお書きください
岡 昂瑠 (金曜日, 25 12月 2015 22:05)
『お金の亡者になりなさい』ですか?すごくインパクトがあって、ブロック外れそうですね!
流石にメンターのメンター
ますます、ワクワクしてきました。
本当に自分事にして学ばせていただきます。
ありがとうございますm(_ _)m
感謝します!
小林知央 (土曜日, 26 12月 2015 12:55)
岡さんへ
こちらこそ、コメントいただくことでさらに励みになります!
森 浩之 (月曜日, 11 1月 2016 22:18)
こんばんは
「お金の亡者になりなさい」ですか!?
一瞬、耳(目?)を疑ってしまいました。
ドンドン話に引き込まれていきます!
とらねこ (月曜日, 30 5月 2016 22:55)
いつも楽しく拝見させて頂いております。
「金の亡者になりなさい」というセリフは
インパクト有り過ぎですね(笑)。
まるでドラマか何かを見ているようです。